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ICUで使用するチューブや管類

気管内チューブ

口から肺へとつながる気道を確保する為に気管に入れる直径1cm 以下のチューブです。通常は人工呼吸器を使用する際に必要となります。挿入時は必要に応じて全身麻酔に準じた鎮静薬や鎮痛薬を使用します。チューブの先端は気管内にあり、気管の上皮は神経が過敏なので意識がある間は通常鎮痛薬を使用します。チューブは声門と呼ばれる気管の入り口を通るのでチューブが留置されている間は声が出せません。コミュニケーションは筆談や専用デバイスで行います。

気管切開

気管内チューブは口から気管へ入れますが、気道の確保が長期間必要になる場合や口からの気道確保が難しい場合は手術を行い皮膚から気管に直接チューブを入れることがあります。手術は手術室で行う外科的気管切開とベッドサイドで行う経皮的気管切開という2通りの方法があります。通常手術は全身麻酔で無意識のうちに行います。不要になれば抜去します。通常は抜去したあとは手術なしで自然に閉鎖します。

中心静脈カテーテル

体の深いところにある太い静脈(内頸静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈など)にアクセスするためのカテーテルです。特殊な薬剤や静脈から栄養を投与する為に必要になります。持続透析をする為に特殊な構造の中心静脈カテーテルを入れることがあります。入れる際には十分消毒をし清潔を保った状態で局所麻酔を使いながら行います。


動脈カテーテル

手首や腕、足の付け根付近の動脈に入れる細い管(カテーテル)です。血圧をリアルタイムで確認したり、頻回な採血のために必要になります。局所麻酔で十分痛みをとって行います。


経鼻胃管

鼻から胃・腸へアクセスするための細い管です。誤嚥のリスクや意識障害があって自分で食事をしたり、内服を行うことができない患者さんに挿入します。ICUでは自分で食べたり飲んだりできるようなるまでこの管から必要な栄養や薬を投与します。

膀胱留置カテーテル

尿道から膀胱へ入れる管です。集中治療室ではベッドの上で安静を保たなければならないのでトイレに行けません。また尿量の正確な計測が必要となるために留置します。