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患者さんとご家族のための

集中治療室情報サイト

ICUで使用する機器

生体情報モニター

生体情報モニタは、患者さんの生命にかかわる最も基本的な情報である心拍数、呼吸数、血圧、体温に加えて、心電図などの波形情報をリアルタイムに測定して表示する医療機器です。集中治療室に入室される患者さんは、刻々と容態が変化されるため、すべての方に使用しています。生体情報モニタは、私たちが患者さんの容態変化を察知でききるようアラーム機能が装備され、変化した容態に対する素早い診療を可能としています。

人工呼吸器

人工呼吸器は、患者さんの呼吸を補助または代行する医療機器です。日常的に私たちの体は、呼吸をすることで肺を介して体外から酸素を取り込み、二酸化炭素を体外に排出するガス交換を行っています。これが何らかの原因で重度に障害された場合など、ガス交換の補助や呼吸筋の疲労軽減など呼吸機能を補助するために使用されます。集中治療室では、呼吸機能の障害のほか手術後の患者さん、最近では重度の新型コロナウィルス感染症の患者さんにも多く使用しています。

人工呼吸器を使用した呼吸機能補助には大きく分けて2つの方法があります。口から気管内チューブを入れて直接肺にアクセスする方法が一般的ですが、治療の目的によって下図のように口や鼻を覆う特殊なマスクを装着する方法もあります。患者さんの状態に合わせて選択しています。

透析装置

透析装置は、腎臓の働きの代わりとなる医療機器です。腎臓の働きには、尿として水分や老廃物を体外に排出する機能があります。これらが、何らかの原因で重度に障害された場合などに使用されます。また、慢性の透析患者さんが入室された場合にも使用されます。透析療法は、患者さんの血液を体外に導き出して人工腎臓(ダイアライザー)を介して、水分や老廃物の除去などを行った血液を、再び体内へ戻します。 ICUで透析を行う場合、通常は透析専用の特殊な中心静脈カテーテルを挿入する必要があります。

輸液ポンプ+シリンジポンプ

輸液ポンプ・シリンジポンプは、一定の速度で薬剤を持続的に投与する医療機器です。薬剤の投与速度や量を正確に管理したいときに使用されます。集中治療室は、微量投与が必要な薬剤を使用する場合が多く、使用中は定期的に薬剤の投与量と残量を確認します。また、シリンジポンプは、投与速度をより細かく設定できるのが特徴です。


除細動器

除細動器は、突然死に至る危険性の高い致死性不整脈に対し、電気的な刺激を与えることで正常な心拍のリズムへ戻す除細動などを行う医療機器です。致死性不整脈により、心臓がうまく血液を送り出せなくなると1分ごとに生存率は約7~10%低下すると言われており、いかに早く除細動を行うかが重要です。院内の除細動器は、いつでも使えるように保守点検の徹底と使用者への訓練を実施しております。

ECMO (extracorporeal membrane oxygenation)「エクモ

「人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療」をECMOと呼びます。ECMOは呼吸と循環に対する究極の対症療法であり、根治療法ではありません。通常の治療では直ちに絶命してしまう超重症呼吸・循環不全患者に対し、治癒・回復するまでの間、呼吸と循環の機能を代替する治療法です。有効な治療を行うためには専門的な知識と技術を持ったスタッフに加え多くのマンパワーが必要です。あくまでも対症療法なので治癒を見込めない病気には慎重に適応を考える必要があります。

ICUベッド

ICUベッドは、患者さんの状態に合わせて使用できるさまざまな機能が備わっています。例えば、ベッドに寝たままで体重が測定できる機能や仰向けに寝た状態から椅子に座った状態へまで変形させる機能です。また、手術室や検査室などへの移動は、前後左右に稼働する大きい車輪と移動用のハンドルが装備され、患者さんへのストレスを極力軽減できるよう工夫されています。